吐き気・嘔吐がある
吐き気・嘔吐は消化器疾患だけでなく、中枢神経疾患、代謝性疾患、薬剤の副作用など、様々な原因により生じます。特に激しい吐き気や食事のたびに起こる嘔吐は、重篤な疾患のサインかもしれません。激しい嘔吐により脱水や電解質異常を起こしやすくなりますので、水分補給を意識しながら、早めに受診してください。
こんな症状ありませんか？
- 食後すぐに吐き気がする、嘔吐する
- 朝起きた時に吐き気がある
- めまいとともに嘔吐する
- 頭痛を伴う嘔吐がある
- 腹痛とともに嘔吐を繰り返す
- 吐いても吐き気が治まらない など
嘔吐の原因と特徴
消化器系の原因
急性胃腸炎、食中毒、胃・十二指腸潰瘍、腸閉塞などが原因となります。腹痛、下痢、発熱などを伴うことが多く、食事との関連が見られます。
中枢神経系の原因
脳卒中（脳梗塞、くも膜下出血など）、片頭痛などが原因となります。吐き気・嘔吐に頭痛、意識障害、神経症状を伴う場合は、緊急性が高くなります。
代謝・内分泌系の原因
糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症、妊娠悪阻などが原因となります。全身状態の悪化を伴うことが多く、基礎疾患の治療が必要です。
薬剤性・心因性
抗がん剤、抗菌薬、鎮痛薬などの副作用や、ストレス、不安による心因性嘔吐もあります。原因薬剤の中止や心理的サポートが必要です。
吐き気・嘔吐を伴う主な疾患
急性胃腸炎
ウイルスや細菌感染により、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などを生じます。特にノロウイルスでは激しい嘔吐が特徴的で、感染力が強いため注意が必要です。
食中毒
細菌や寄生虫に汚染された食品により起こり、原因により潜伏期間と症状が異なります。集団発生することもあり、食事歴の確認が診断に重要です。
熱中症
高温環境により体温調節機能が破綻した状態です。嘔吐、頭痛、めまいなどを生じ、重症では意識障害や痙攣を起こすこともあります。速やかな冷却と水分・電解質補給が必要です。
胃食道逆流症
胃酸が食道に逆流することで、胸やけ、呑酸（酸味のあるゲップ）、嘔吐などを生じます。食後に症状が現れたり、横になると悪化するのが特徴で、生活習慣の改善と薬物療法により治療します。
メニエール病
内耳の異常により、めまい（周囲が回転するようなめまい）、耳鳴り、難聴とともに嘔吐を生じます。発作を繰り返すことが特徴で、めまい止めや利尿薬により治療します。
糖尿病性ケトアシドーシス
血糖値の著しい上昇により、嘔吐、腹痛、意識障害を生じる糖尿病の急性合併症です。放置すると命に関わることもあるので、緊急治療が必要です。
当院での診療
今福つるみ内科皮フ科クリニックでは、嘔吐の原因を適切に診断し、症状の改善を図ります。
検査と診断
詳細な問診と診察により原因を推測し、血液検査、尿検査などを実施します。腹部超音波検査により消化器疾患の評価も行いつつ、必要に応じて内視鏡検査（胃カメラ・大腸カメラ検査）が可能な医療機関へのご紹介を行います。
治療方針
制吐薬により症状を抑えながら、原因疾患の治療を行います。脱水がある場合は点滴により水分と電解質を補給します。脳などの重篤な疾患が疑われる場合は、速やかに専門医療機関へご紹介します。
受診の目安
以下のような症状がある場合は重篤な病気の可能性があるので、早急な受診が必要です。激しい症状によりご自身の受診が難しい場合には、救急車の要請もご検討ください。
- 激しい頭痛を伴う嘔吐
- 意識がもうろうとする
- 血液や胆汁（緑色）を吐く
- 激しい腹痛を伴う
- 脱水症状が強い
- 24時間以上嘔吐が続く など
