生活習慣病について
生活習慣病は、食事、運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が発症や進行に深く関わる疾患の総称です。かつては「成人病」と呼ばれていましたが、若年層でも発症することから、現在の名称が使われるようになりました。
日本人の死因の約6割が生活習慣病に関連しており、健康寿命を縮める主要な要因となっています。しかし、多くは初期段階で自覚症状がないため、定期的な健診と早期の対策が重要です。
こんな状態に心当たりありませんか？
- 健康診断で複数の項目に異常値がある
- 体重が年々増加している、お腹まわりが気になる
- 外食や加工食品を食べることが多い
- 運動する機会がほとんどない
- ストレスが多い
- 睡眠不足が続いている
- 喫煙習慣がある、お酒を毎日飲む
- 家族に生活習慣病の人が多い など
主な生活習慣病
糖尿病
血糖値を下げるインスリンの作用不足により、慢性的に血糖値が高くなる疾患です。初期は無症状ですが、進行すると網膜症、腎症、神経障害などの合併症を引き起こします。
高血圧
血管にかかる圧力が慢性的に高い状態です。自覚症状なく進行し、脳卒中や心臓病の主要な原因となります。
脂質異常症
血液中のコレステロールや中性脂肪のバランスが崩れた状態です。LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪のいずれかが基準を外れている場合に診断します。放置されると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めます。
肥満
肥満は体脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI25以上で判定されます。特に内臓脂肪型肥満は、メタボリックシンドロームの基盤となる重要な病態です。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームは、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上で、かつ血圧、血糖、脂質のうち2項目以上が基準値を超えている場合が該当します。内臓脂肪から分泌される悪玉物質により、各種生活習慣病が連鎖的に悪化します。
高尿酸血症（痛風）
血液中の尿酸値が7.0mg/dL以上の状態で、関節に尿酸結晶が沈着すると激痛を伴う痛風発作を起こします。プリン体の多い食品（ビール、レバー、魚卵など）の過剰摂取が原因となることが多く、腎障害や尿路結石の原因にもなります。
脂肪肝
肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態で、飲酒によらない非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）が増加しています。一部は肝臓の炎症を伴うNASHに進行し、肝硬変や肝がんのリスクとなります。
慢性腎臓病（CKD）
何らかの理由で腎機能が徐々に低下する疾患です。初期は無症状ですが、進行すると最終的に透析治療が必要となります。糖尿病や高血圧などの生活習慣病が発症に関与するため、早期発見と原因疾患の管理が重要です。
骨粗鬆症
骨密度が低下し、骨折しやすくなる疾患です。カルシウム不足、運動不足、喫煙、過度の飲酒などが危険因子となります。特に閉経後の女性は注意が必要です。
当院の治療方針
今福つるみ内科皮フ科クリニックでは、糖尿病専門医である院長が生活習慣病の総合的な診療を行います。各疾患を個別に治療するのではなく、相互の関連を考慮した包括的なアプローチを行います。
オーダーメイドの治療計画
患者様の生活背景、仕事環境、家族歴などを考慮し、実現可能な治療計画を立案します。薬物療法だけでなく、栄養指導、運動指導を含めた総合的な治療を提供します。
メディカルダイエット
肥満は生活習慣病の根本原因となることから、医学的根拠に基づいた減量指導を行います。当院では保険適用の肥満治療のほか、自由診療でのメディカルダイエットも行っています。糖尿病治療薬を応用した食欲抑制と満腹感の持続により、無理のない減量をサポートします。専門医の管理下で安全に治療を進めましょう。
予防と早期発見の重要性
定期健診の活用
年1回の健康診断により、自覚症状のない段階で異常を発見できます。職場や自治体が実施する各種健診の機会を活用し、病気の早期発見に努めましょう。もちろん、個人受診にも柔軟に対応いたします。
生活習慣の見直しポイント
生活習慣病の予防と改善には、以下の基本的な生活習慣の改善が効果的です。
食生活
- 腹八分目を心がけ、ゆっくりよく噛んで食べる
- 野菜を先に食べ、血糖値の急上昇を防ぐ
- 塩分を控え、だしや香辛料で味付けする
- バランスの取れた食事を規則正しく摂る など
運動習慣
- ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を行う
- ストレッチや筋トレなどのレジスタンス運動を行う
- エレベーターより階段を使う、一駅分歩くなど、日常生活で活動量を増やす など
その他
- 禁煙する
- 節酒する（休肝日を設ける）
- 十分な睡眠を取る
- ストレス解消法を見つける など
