白斑（尋常性白斑）とは？
皮膚の色素細胞（メラノサイト）が何らかの原因で減少、消失することで、皮膚の一部が白くなる病気です。全人口の0.5～1％が罹患しているといわれています。
白斑の原因
白斑の原因ははっきりとわかっていませんが、主な原因として以下のものが考えられています。
自己免疫疾患
自分の免疫システムがメラノサイトを攻撃してしまうことが原因と考えられています。白斑の患者さんの中には、甲状腺疾患などの自己免疫疾患を併発している方が多いという報告があります。
遺伝的要因
白斑は家族内で発症するケースもあることから、遺伝的な要因も関わっていると考えられています。ただし、遺伝だけで発症するわけではなく、環境要因も影響すると考えられています。
メラノサイト（色素細胞）の自己破壊
メラノサイトが作り出すメラニン色素は、紫外線から皮膚を守る役割を果たしますが、メラニン色素を作る過程で発生する産生中間代謝物のなかでメラノサイトに対して毒性の高いものがあり、尋常性白斑の患者さまではこれらの産生中間代謝物を無毒化することができず、メラノサイト自身を傷つけてしまうことが原因となる場合があります。
悪化要因
- ストレス
- 皮膚への刺激（乾燥、摩擦、日焼け、虫刺されなど）
- 睡眠不足
当院での診断と治療
白斑の治療は長期化することが多いです。鶴見区・今福鶴見・横堤の今福つるみ内科皮フ科では、患者様の症状やライフスタイルに合わせ、無理なく継続可能な治療計画を立案いたします。
診断
視診による皮疹の確認が中心です。甲状腺疾患や糖尿病、自己免疫性疾患などの病気を合併することがあるので、必要に応じて血液検査を行います。
治療
外用療法
ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏、ビタミンD3外用薬を使用します。治療が長期間に及ぶことが多く、ステロイド外用剤の副作用に注意して治療を進めていきます。ビタミンD3外用薬は紫外線療と併用すると効果が高いとの報告もあります。タクロリムス軟膏は紫外線療法との併用はできません。
光線療法
紫外線照射により症状を改善させます。当院では必要な範囲に高出力の中波長紫外線を集中して照射できるエキシマライト（セラビーム）を使用して治療しています。
日常生活での注意点
紫外線対策
メラノサイトは紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めを塗ったり、帽子や日傘を使用したりするなどして、紫外線から肌を守りましょう。
皮膚への刺激を避ける・保湿する
摩擦や圧迫、外傷など、皮膚への刺激は白斑の悪化因子となる可能性があります。衣服やアクセサリーによる摩擦、きつい靴、虫刺されなどに注意しましょう。乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、白斑の悪化につながる可能性がありますので保湿剤をこまめに塗るようにしましょう。
生活習慣
ストレスや睡眠不足、不規則な生活は、免疫力の低下やストレスの原因となり、白斑の発症や悪化に影響を与える可能性があります。リラックスすること、十分な睡眠、適度な運動を意識して、ストレスをためないようにしましょう。
バランスの取れた食事
メラノサイトの働きを助けるビタミンやミネラルを積極的に摂取しましょう。特に、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、銅などが重要です。
