汗のお悩みについて

汗をかくことは体温調節のための重要な生理機能ですが、正常の範疇を超えると日常生活に支障をきたすことがあります。特に過度な発汗が起こる「多汗症」は、緊張や不安により悪化することが多く、それがさらなるストレスとなる悪循環に陥りやすい疾患です。
単なる汗かきとは異なる状態ですので、まずは一度、医師に相談してください。適切な診断と治療により、症状の改善とQOL(生活の質)の向上が期待できます。
こんなお悩みありませんか?
- 手のひらの汗で書類が濡れてしまう、スマホが反応しにくい
- 脇汗のシミが気になって好きな服が着られない
- 顔や頭から汗が滴り落ちて人前に出るのが恥ずかしい
- 足の汗でにおいが気になる
- 緊張すると異常に汗をかいてしまう など
多汗症の症状と特徴
多汗症は、手のひら、足の裏、脇の下など特定部位の多汗(局所性多汗症)と、全身の多汗(全身性多汗症)に分類されます。また、精神的緊張で悪化するものと、温度に関係なく常に汗をかくものがあります。
発汗の程度もじっとり湿る程度から、滴り落ちるほどの大量発汗まで様々です。日常生活への影響度により、重症度が判定されます。
随伴症状
発汗とともに皮膚のかぶれや体の冷えなどを伴うことがあります。また、足の多汗は蒸れやすい環境を作り、みずむし(白癬)などの二次的な皮膚トラブルの原因となることもあります。
多汗症の種類と原因
続発性多汗症
甲状腺機能亢進症、更年期障害、糖尿病、感染症など、他の疾患に伴って生じる多汗症です。原因疾患の治療により改善することがあります。
原発性多汗症
明らかな原因がなく、交感神経の過剰な働きにより生じる多汗症です。思春期頃から始まることが多く、家族歴(遺伝)があることもあります。
悪化因子
緊張、不安、ストレスにより交感神経が刺激され、発汗が増加します。社交不安障害などの精神疾患に伴うこともあります。
多汗症の治療
多汗症の部位や症状に応じて適切な治療法を選択します。今福つるみ内科皮フ科クリニックでは、皮膚科専門医が患者様の症状に応じた治療をご提案いたします。
- 外用薬
- 内服薬
- イオントフォレーシス(電気治療)
- 手術による交感神経の遮断 など
※治療内容によっては適切な医療機関をご紹介します。
日常生活での対処法
治療と併せて、日常生活でも以下のような工夫を行うことで、効果的な症状コントロールが可能です。
- 通気性の良い衣服を選ぶ
- 制汗剤やパウダーを活用する
- こまめに汗を拭き取る
- リラックス法を身につける
- カフェインや香辛料を控える
- 通気性の良い靴を選ぶ、靴下をこまめに交換する(足の多汗) など