肌の荒れ・かぶれについて

肌荒れは、一般的に皮膚の表面が乾燥してカサカサになったり、赤みやかゆみを伴ったりする状態を指します。一方のかぶれは、医学的には「接触皮膚炎」と言い、特定の物質に触れることで起こる皮膚の炎症反応です。どちらも見た目の問題だけでなく、不快な症状が続くことで、QOL(生活の質)を低下させる要因となります。
肌荒れ・かぶれの症状と特徴
肌荒れやかぶれでは、皮膚の赤み、腫れ、かゆみ、ヒリヒリ感などの症状が共通します。症状が進行すると、水ぶくれやただれ、皮むけを生じることもあります。ただし、肌荒れは広範囲に徐々に現れることが多いですが、かぶれは原因物質との接触部位に一致して症状が現れやすいのが特徴です。
どちらも慢性化すると皮膚が厚くなったり、色素沈着を起こしたりすることもあるため、早期の治療が重要です。
肌荒れ・かぶれの原因
外的要因
空気の乾燥、紫外線、摩擦、化学物質など、外部からの刺激が肌荒れやかぶれの原因となります。特に冬場の乾燥した空気や、強い洗浄剤の使用は皮膚のバリア機能を低下させ、肌荒れを引き起こしやすくなります。
内的要因
ストレス、睡眠不足、栄養バランスの乱れ、ホルモンバランスの変化なども肌荒れの原因となります。体の内側の不調が皮膚に現れることも多く、生活習慣の見直しが必要な場合があります。
アレルギー反応
化粧品、金属、植物、薬剤などに対するアレルギー反応により、かぶれが生じることがあります。
肌荒れ・かぶれを起こす皮膚疾患
接触皮膚炎
かぶれ(接触皮膚炎)には刺激性とアレルギー性の2種類があり、原因物質を特定して避けることが治療の基本となります。
脂漏性皮膚炎
皮脂の分泌が多い部位(頭皮、顔のTゾーン、耳の後ろなど)に起こる慢性の炎症です。赤みとフケのような鱗屑が特徴で、マラセチアという皮膚常在菌の関与が考えられています。
乾癬
皮膚の新陳代謝が異常に早まる慢性疾患で、赤い発疹の上に厚い銀白色の鱗屑が付着します。乾燥により症状が悪化しやすく、専門的な治療と保湿ケアの併用が必要です。
アトピー性皮膚炎
皮膚バリア機能の低下により外部刺激に敏感になり、慢性的な肌荒れを繰り返します。乾燥、かゆみ、赤みが主な症状で、適切なスキンケアと治療により管理できます。
手湿疹(主婦湿疹)
水仕事や洗剤の使用により手の皮膚が荒れる状態です。手のひらや指に赤み、かさつき、ひび割れが生じ、痛みを伴うこともあります。
日常生活での対処法
肌荒れやかぶれを改善・予防するためには、日常的なケアが重要です。以下で症状を軽減できることがありますが、悪化する場合や頻発する場合には、皮膚科専門医のいる今福つるみ内科皮フ科クリニックへご相談ください。
スキンケアの基本
- 洗顔・洗浄は優しく、こすらないように行う
- 刺激の少ない製品を選び、新しい製品は少量から試す
- 保湿は入浴後すぐに行い、1日数回塗り直す
- 日焼け止めを使用し、紫外線から肌を守る
- 熱いお湯は避け、ぬるま湯を使用する など
原因物質の回避
- 使用している化粧品や洗剤の成分を確認する
- 金属アレルギーがある場合は、アクセサリーの素材に注意
- ゴム手袋を使用する際は、綿の手袋を下に着用
- かぶれの原因となった物質はリストアップして管理
- 新しい製品を使用する前に医師に相談する など
生活習慣の改善
- 十分な睡眠時間を確保する
- バランスの良い食事を心がける
- ストレス解消法を見つける
- 適度な運動で血行を促進
- 禁煙・節酒を心がける など