皮膚の色の変化について

皮膚の赤みや色の変化は、血管の拡張、炎症、色素の異常など様々な原因により生じます。見た目の問題となるだけでなく、時に内臓疾患のサインであることもあるので、注意深い観察が必要です。
特に急激な色の変化、広範囲に及ぶ変化、他の症状を伴う場合は、早めの受診をおすすめします。
色の変化の種類と特徴
赤み(紅斑)、紫色(紫斑)、茶色(色素沈着)、白色(色素脱失)など、色により原因が推測できます。また、境界が明瞭か不明瞭か、隆起を伴うか、対称性があるかなども診断の手がかりとなります。
色の変化が一過性か持続性か、日光や温度で変化するか、時間帯により変動するかなどの情報も重要です。
部位ごとの特徴
顔面の赤みは脂漏性皮膚炎や酒さ、手足の色の変化は循環障害、体幹の色素沈着は内分泌疾患など、部位により考えられる疾患が異なります。
赤み・色の変化の原因
皮膚の炎症
皮膚の炎症により血管が拡張し、赤みが生じます。急性のものから慢性のものまで、様々なものが原因となります。
血管の異常
血管の拡張や血流の変化により、肌が変色することがあります。例えば静脈瘤、血管炎で赤色に、レイノー現象(※)では紫色や蒼白色になります。
(※)手足の血行が悪くなり、皮膚が変色する現象。寒冷刺激が主な原因です。
色素異常
メラニン色素の増加による色素沈着、減少による白斑など、色素細胞の異常により皮膚の色が変化します。
皮膚の変色を起こす主な疾患
アトピー性皮膚炎
慢性的な皮膚の炎症により、赤みや色素沈着が生じます。特に肘や膝などに症状が現れやすく、掻き壊しにより色素沈着が残ることもあります。
乾癬
皮膚の細胞が異常に早く増殖する慢性疾患です。境界明瞭な赤い発疹の上に銀白色の鱗屑が付着します。肘、膝、頭皮などに好発します。
帯状疱疹
体の片側に帯状に分布する赤みと水ぶくれが特徴的で、強い痛みを伴います。早期の抗ウイルス薬投与が重要です。
酒さ(赤ら顔)
顔面の慢性的な赤みで、ほてりやひりつきを伴います。刺激物やアルコール、寒暖差などで悪化しやすい特徴があります。