皮膚のできものについて

皮膚に現れる「できもの」や「ぶつぶつ」は、医学的には「皮疹」と総称されます。小さな赤い点状のものから、盛り上がったしこり、水ぶくれなど、その形状や性質は様々です。
これらは審美面での問題となるだけでなく、時に重要な皮膚疾患のサインの可能性もあります。特に徐々に大きくなる、痛みを伴うなどの症状がある場合は、早めに受診してください。
できものの症状と特徴
できものは大きさ、色、硬さ、表面の性状などにより分類されます。赤く腫れたもの、白い膿を持つもの、透明な水ぶくれ、硬いしこりなど、それぞれに特徴があり、これらの所見から原因を推測できます。
また、かゆみや痛みの有無、押すと動くかどうか、表面の性状(ザラザラ、ツルツル、じくじく)なども診断の重要な手がかりとなります。
随伴症状
できものに伴う症状として、かゆみ、痛み、熱感、圧痛などがあります。これらの有無や程度により、炎症の強さや感染の可能性を判断します。
また、全身症状として発熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどを伴う場合は、感染症やアレルギー反応の可能性を考慮する必要があります。さらに、できものが急速に大きくなる、数が増える、治りにくいなどの経過も重要な情報となります。
できものの主な原因
ウイルス感染
ヒトパピローマウイルス(HPV)によるいぼ、水痘・帯状疱疹ウイルスによる帯状疱疹など、ウイルス感染により様々なできものが生じます。特に免疫力が低下している時に発症しやすくなります。
細菌感染
毛穴に細菌が入り込んで起こる毛嚢炎、アクネ菌によるニキビなど、細菌感染もできものの原因となります。不潔な環境や皮膚の傷から感染が起こりやすくなります。
皮脂腺の異常
皮脂の分泌異常により、粉瘤や脂漏性角化症などのできものが生じます。体質的な要因が大きく、複数個できることもあります。
関連する主な疾患
いぼ
ウイルス感染により生じる良性の腫瘍で、手足や顔面に多く発生します。いくつかの種類がありますが、よく見られるウイルス性いぼ(尋常性疣贅)の場合は、液体窒素による凍結療法が一般的な治療法です。
ニキビ
毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が増殖することで生じる炎症性疾患です。思春期に多いですが、大人ニキビも増えています。進行するほど治りにくく、ニキビ跡として残るリスクが上がるので、早期治療が大切です。
粉瘤(アテローム)
皮膚の下に袋状の構造ができ、角質や皮脂が溜まってできる良性腫瘍です。基本的に痛みを伴いませんが、細菌感染を起こすと赤く腫れ上がって強い痛みを伴います。
帯状疱疹
体の片側の神経に沿って、帯状の水疱ができる疾患です。強い痛みを伴うことが多く、後遺症のリスクもあるため、早期の抗ウイルス薬投与が重要となります。