粉瘤とは？
粉瘤（ふんりゅう）は、「アテローム」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質や皮脂が溜まることで生じます。体のどこにでもできますが、顔、首、背中、耳たぶなどに多く見られます。
放置すると徐々に大きくなり、細菌感染を起こすと赤く腫れて痛みを伴うことがあります。健康に影響が及ぶことはまれですが、自然に治ることはほとんどないため、気になる場合は治療が必要です。
こんな症状ありませんか？
- 皮膚の下にドーム状のしこりがある
- 触ると動く、弾力がある
- 中央に黒い点（開口部）が見えることがある
- 痛みがない
- 徐々に大きくなる など
感染した場合の症状
粉瘤が細菌感染を起こすと、以下のような症状が現れることもあります。
- 赤く腫れて熱を持つ
- 強い痛みがある
- 膿が出る
- 破裂して内容物が漏れる
- 内容物に独特の臭いがある など
粉瘤の原因
発生のメカニズム
- 毛穴の一部が皮膚の内側にめり込み、袋状の構造を作ります。
- この袋の中に、本来は皮膚表面に排出されるはずの角質や皮脂が溜まります。
- 角質や皮脂が溜まり続けることで徐々に大きくなっていきます。
- 肥大化の過程で破裂や細菌感染を起こすこともあります。
はっきりとした原因は不明
粉瘤の発生には以下の要因が複数関与しますが、はっきりとした原因は分かっていません。肌の衛生環境とは無関係に起こるため、体質によるものが大きいと考えられます。
- 毛穴の詰まり
- 外傷
- 手術の傷跡
- ニキビ跡
- ウイルス感染 など
当院での診断と治療
今福つるみ内科皮フ科クリニックでは、粉瘤の確実な診断と、傷跡に配慮した治療を行います。
診断
視診・触診
特徴的な外観と触診所見から診断します。破裂や細菌感染のリスクを考慮し、適切な治療計画を立てます。
超音波検査
他の皮膚疾患が疑われる場合には、超音波を用いて内部構造を確認し、確定診断を行います。
治療
経過観察
健康や日常生活への影響がない小さな粉瘤であれば、経過観察に留めます。定期的に様子を見ながら、炎症や破裂のリスクを考慮して適切な時期での手術を検討します。
手術
手術によって粉瘤自体を除去します。手術は当院で日帰りで実施いたします。
くり抜き法
専用のパンチで粉瘤の中央に小さな穴を開け、内容物を圧出した後に袋を摘出します。傷跡が小さく、顔面などの美容的配慮が必要な部位に適しています。
切開法
粉瘤の直上を切開し、袋を破らないよう周囲組織から剥離して一塊として摘出します。大きな粉瘤や炎症の既往がある場合に適していて、確実な摘出が可能です。
術後の注意点
創部のケア
患部の細菌感染を防ぎ、きれいな治癒を促すため、術後は定期的に通院していただきます。特に抜糸までは創部を清潔に保ち、激しい運動などは控えるようにしてください。
※手術前後の注意事項は、事前にお伝えします。
再発予防
完全に摘出されていれば再発はまれですが、新たな粉瘤ができる可能性はあります。皮膚の下に気になるしこりを見つけた場合は、大きくなる前に早めに受診することをおすすめします。
