乾癬とは?

乾癬(かんせん)は、皮膚の細胞が異常に早く生まれ変わることで、皮膚に赤い発疹と銀白色の鱗屑(りんせつ:フケのようなもの)ができる慢性の皮膚疾患です。感染する病気ではありませんが、見た目の問題から生活の質に大きく影響することがあります。
症状の程度は人により異なりますが、多くの場合で長期治療が必要になります。適切な治療により症状をコントロールできますので、根気強く向き合っていきましょう。
こんな症状ありませんか?
- 境界のはっきりした赤い発疹
- 発疹の上に銀白色のフケのようなものが付着している
- かゆみを伴うことがある
- 爪の変形がある(点状のへこみ、肥厚) など
乾癬の種類
尋常性乾癬
乾癬のほとんどを占めるタイプです。境界明瞭な紅斑の上に銀白色の鱗屑が付着し、慢性的に症状が続きます。肘や膝、頭皮などの刺激を受けやすい部位に好発し、かゆみを伴うこともあります。
関節症性乾癬
皮膚症状に加えて関節の痛みや腫れ、朝のこわばりなどを伴うタイプです。手指の関節に起こりやすく、進行すると関節の変形をきたすこともあります。
膿疱性乾癬
発疹の上に無菌性の膿疱(膿を持った水ぶくれ)が多発する重症型です。発熱や全身倦怠感を伴うことが多く、入院治療が必要になることもあります。
乾癬の原因
乾癬の発症メカニズムには、複数の要因の関与が指摘されています。未だ明確な答えは出ていませんが、免疫システムの異常により皮膚の細胞が過剰に増殖することが、主な原因だと考えられています。
悪化要因
乾癬は以下の要因で悪化することがあります。また、乾癬の方は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病にかかりやすいため、これらの予防と管理も重要です。
- ストレス
- 感染症(特に扁桃炎)
- 皮膚への刺激(外傷、やけど、虫刺されなど)
- 喫煙、飲酒
- 寒暖差(特に寒い時期に悪化しやすい)
- 空気の乾燥
- 睡眠不足 など
当院での診断と治療
乾癬治療は長期化することが多いです。今福つるみ内科皮フ科クリニックでは、患者様の症状やライフスタイルに合わせ、無理なく継続可能な治療計画を立案いたします。
診断
視診による皮疹の確認が中心です。必要に応じて皮膚生検を行い、確定診断をつけます。
治療
外用療法
ステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬を症状に応じて使い分けます。
内服療法
中等症以上では、免疫抑制薬やレチノイド製剤などを使用します。
光線療法
紫外線照射により症状を改善させます。当院で導入している紫外線治療器で実施可能です。
日常生活での注意点
スキンケア
乾癬の症状を安定させるためには、適切なスキンケアが欠かせません。保湿を十分に行い、刺激の少ない石鹸を使用することで、皮膚への負担を最小限に抑えることができます。かゆみがあっても掻かないよう注意し、症状の悪化を防ぎましょう。
生活習慣
生活習慣の改善も重要で、ストレスを溜めないよう心がけ、規則正しい生活を送ることが大切です。特に喫煙や過度の飲酒は症状を悪化させる可能性があるため、禁煙と節酒を心がけましょう。
これらは生活習慣病の予防にも有効です。
感染予防
扁桃炎などの感染症は、乾癬を悪化させることがあります。感染予防に努め、体調不良を感じたら早めの治療を心がけることが重要です。