ほくろ・いぼとは?

ほくろは、メラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が集まってできる良性の腫瘍です。一方、いぼは主にウイルス感染によってできる皮膚の隆起で、手足によく見られます。どちらも多くは良性ですが、急激に大きくなったり、形や色が変化したりする場合は、悪性(皮膚がん)の可能性もあるため注意が必要です。
健康面でのリスクがなくても、見た目のお悩みとなることも多いので、美容的な理由で除去を希望する方も多くおられます。ただし、ご自身での除去には傷跡形成や感染症のリスクがありますので、必ず医師に相談してください。
ほくろ・いぼの種類と特徴
ほくろの特徴
ほくろは茶色から黒色の色素斑で、平坦なものから隆起したものまで形状は様々です。生まれつきのものと成長過程で現れるものがあり、通常は痛みやかゆみなどの症状はありません。
基本的には良性ですが、直径6mmを超えるものや、急激に大きさ・形が変わるものは悪性腫瘍(皮膚がん)の疑いがあります。
いぼの種類と特徴
ウイルス性イボ(尋常性疣贅)
ヒトパピローマウイルスの感染により生じる一般的ないぼです。手足に多く発生し、表面がザラザラした硬い隆起が特徴的で、特に子供に多く見られます。他の部位への感染拡大に注意が必要です。
扁平疣贅
ウイルス感染による平らないぼで、顔や手の甲に多発します。肌に近い色から薄茶色の小さな隆起が集まって現れることが多く、若い女性に好発します。引っ掻くと線状に広がることがあります。
尖圭コンジローマ
性行為により感染することが多い性感染症の一つです。性器や肛門周囲にカリフラワー状や鶏冠状の特徴的な形状のいぼが生じます。パートナーへの感染予防が重要です。
水イボ(伝染性軟属腫)
ポックスウイルスによる感染症で、真珠のような光沢のある小さな隆起が特徴です。中央にへこみがあり、内容物が感染源となります。子供に多く、プールなどで感染が広がりやすいです。
老人性いぼ(脂漏性角化症)
加齢に伴って現れる良性の皮膚腫瘍で、茶色から黒色の隆起が顔、頭、首などに生じます。ウイルス性ではなく、紫外線の影響や遺伝的要因により発生します。
ほくろ・いぼの原因
ほくろの原因
紫外線の影響や遺伝的要因により、メラノサイトが局所的に増殖することで形成されます。
いぼの原因
ウイルス性
多くはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により発生します。小さな傷から侵入し、増殖します。
非ウイルス性
加齢や紫外線の影響により、皮膚の細胞が変化して生じます。
当院での診断と治療
今福つるみ内科皮フ科クリニックでは、皮膚科専門医がほくろ・いぼを的確に診断し、美容面にも配慮した治療を行います。
診断
ダーモスコピー検査
拡大鏡を使用して、ほくろの構造を詳しく観察し、良性か悪性かを判断します。
視診
いぼの種類を特定し、適切な治療法を選択します。
治療
液体窒素療法
ウイルス性のいぼに対する標準的な治療法で、-196℃の液体窒素で凍結させて除去します。複数回の治療が必要な場合があります。
摘除
水いぼの場合は、病変の内容物を専用のピンセットを使って除去します。痛みを伴うため、適応は慎重に判断します。
炭酸ガスレーザー
医療用レーザーを使用し、ほくろやいぼを蒸散させて除去します。傷跡が目立ちにくい治療法です。
手術
大きなほくろや悪性が疑われる場合に行います。病変部をメスで切除し、組織検査(病理検査)を行って悪性かどうかを判断します。
日常生活での注意点
紫外線対策
日焼け止めを適切に使用し、帽子や日傘で直射日光を避けるようにしましょう。新しいほくろの出現や、既存のほくろの変化には注意を払い、気になる変化があれば早めにご相談ください。
いぼの感染予防
いぼの場合は、感染予防が重要なポイントとなります。患部を触ったり掻いたりしないよう注意し、タオルなどの共用は避けるようにしましょう。早めの治療により他の部位への拡散を防ぐことができるため、いぼを見つけたら放置せずに適切な治療を受けることをおすすめします。
子供のいぼ
小さなお子様のいぼは、特に子供同士での入浴時やプールでの感染例が多いです。症状がある時はお子様同士の肌の接触を避け、治療を優先してください。