下痢・便秘が続く時は
下痢や便秘は、医学的には「便通異常」と言います。排便は健康のバロメーターであり、特に下痢や便秘は消化器系の不調を示す重要なサインです。一般的に下痢は1日3回以上の水様便、便秘は排便が週3回未満と定義されますが、個人差が大きく、「快適な排便ができていない」と感じるのであれば、便通異常として捉えてよいでしょう。
一時的な下痢・便秘は生活習慣の改善で対処できますが、長期間続く場合や、血便を伴う場合は、大腸がんや炎症性腸疾患などの大腸の病気が疑われます。適切な検査と治療が必要です。
こんな症状ありませんか？
- 水のような便が続いている
- 3日以上排便がない、便が硬い
- 腹痛を伴う下痢・便秘を繰り返す
- 便に血液や粘液が混じる
- 排便後もすっきりしない残便感がある
- お腹が張って苦しい など
下痢の種類と原因
急性下痢
数日から2週間以内の下痢で、感染性腸炎が疑われます。ウイルス性（ノロウイルス、ロタウイルスなど）と細菌性（サルモネラ、カンピロバクターなど）があり、発熱や嘔吐を伴うことが多いです。
慢性下痢
3週間以上続く下痢で、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、大腸がん（大腸ポリープ）などが考えられます。体重減少や栄養障害を伴う場合は、詳しい検査が必要です。
便秘の種類と原因
機能性便秘
腸の動きが悪くなることで起こる便秘です。弛緩性便秘（大腸の動きが弱い）、痙攣性便秘（大腸が過度に収縮）、直腸性便秘（直腸の感覚が鈍い）に分類されます。
器質性便秘
大腸がんや腸閉塞など、腸の構造的な問題により起こる便秘です。急に便秘になった、便が細くなった、血便を伴うなどの症状がある場合は注意が必要です。
下痢・便秘を引き起こす主な疾患
過敏性腸症候群
ストレスなどにより腸の機能異常を起こし、腹痛と便通異常を繰り返します。下痢型、便秘型、混合型があり、排便により腹痛が改善するのが特徴です。
感染性腸炎
ウイルスや細菌により腸に炎症を起こし、下痢、腹痛、発熱などを生じます。脱水予防が重要で、重症例では抗菌薬治療や点滴が必要です。
炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸に慢性的な炎症を起こす疾患です。血便、体重減少、発熱などを伴います。いずれも難病指定されている疾患であり、専門的な治療が必要です。
薬の副作用
抗菌薬、制酸薬、鉄剤などの薬剤が原因となることがあります。薬剤の変更や中止により改善することが多いです。
当院での診療
今福つるみ内科皮フ科クリニックでは、下痢・便秘の原因を詳しく調べ、適切な治療を行います。急な便通異常はもちろん、慢性的な症状でお悩みの方もお気軽にご相談ください。
検査と診断
血液検査、便検査などを実施します。必要に応じて、大腸内視鏡検査が可能な連携医療機関をご紹介いたします。
治療方針
原因に応じた薬物療法（整腸剤、下痢止め、下剤など）と、食事・生活指導を組み合わせて治療します。特に過敏性腸症候群では精神的な要因も関連するため、症状に応じた薬剤選択と併せて心理的なサポートも行います。
受診の目安
以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。内視鏡を使った精密検査が必要になるケースが多いので、当院での診察・検査の上で、内視鏡専門医へ迅速にご紹介いたします。
- 血便、黒色便がある
- 激しい腹痛を伴う
- 38℃以上の発熱がある
- 脱水症状（口渇、めまい、尿量減少）がある
- 急な体重減少を伴う
- 2週間以上症状が続く など
